子どものむし歯予防①フッ素塗布
- 2023年9月11日
- 診療
こんにちは、かわのまさき歯科の河野真輝です。
僕にはもうすぐ1才と3才になる息子がいますが、子どもって、なかなか思うようには歯磨きをさせてくれず毎日大変ですよね。
という事で、今回はむし歯予防のためのフッ素塗布についてです。
むし歯にならないように予防する事が大事というけど、お子さんが小さくていつから歯医者さんに連れて行って定期検診やフッ素塗布をしたらいいか悩んでいる方も、すでに歯医者さんにお子さんを連れて行って定期検診とフッ素塗布を受けているよって方もフッ素の効果について読んでいただけるといいなと思います。
1、フッ素にはどんな役割があるの?
フッ素には3つの大きな役割があります。
①歯の表面を強くしてむし歯になりにくくする
歯の再石灰化にあたり、フッ素は歯の表面のエナメル質の成分と結びついてフルオロアパタイトという、虫歯菌の出す酸に対して非常に強い構造になります。
この働きによりミネラルが溶けだしにくく、虫歯になりにくい強い歯になります。
②虫歯になりかけた初期の歯を修復する作用がある。
食事をすると酸によって歯に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが溶けだします。
しかし通常の場合は、唾液の働きによって溶けだした成分を元に戻します。この働きを再石灰化といいます。
この歯の再石灰化を助けるのがフッ素です。
唾液中にフッ素イオンが存在していると溶けだしたカルシウムがより多く歯の表面のエナメル質に再吸収されます。
フッ素は再石灰化を促進し、歯の修復を促します。これにより初期虫歯を修復して、健康な歯を保ってくれます。
③虫歯菌が出す酸の量を抑制する
フッ素は虫歯菌の活動を抑制する働きも持っています。
フッ素は虫歯菌の出す酸の量を抑えることができるため、酸により歯が溶かされることが少なくなり、虫歯を予防することができます。
2、フッ素はいつから塗るの?
フッ素は生えたばかりの歯に塗布するのが、最も効果的です。
乳歯でも永久歯でも生えてすぐの歯は未熟でむし歯になりやすいですが、同時にこの時期はフッ素などを多く取り込みやすい状態なので、塗布しておくと歯に質を強化してくれて丈夫な歯になります。
0〜2歳は、上の前歯の歯と歯の間、歯のつけ根の部分、3歳以降は、奥歯の溝、奥歯の歯と歯の間が虫歯になりやすいです。
乳歯が生え始めたら定期的に歯科医院に通うようにして、上下前歯が生えてきたらフッ素塗布できると良いでしょう。
3、フッ素塗布の安全性は?
フッ素はむし歯の予防に高い作用があるとされる反面、人体に悪影響があるとの情報もネットなどで目にすることがあります。
しかし、歯科のむし歯予防で使うフッ素は、猛毒である元素記号「F」(フッ素)単体ではなく、安全な化合物である「フッ化物」です。
現在販売されているほとんどの歯磨剤には、フッ化物が添加されています。フッ化物はもともと自然界に多く存在するもので、お茶にも含まれています。
フッ素のデメリットに対して、神経質になる必要はなく、用法・用量を守って、正しい使い方をすれば悪影響を及ぼすことはありません。
4、フッ素でむし歯予防をするには?
歯科医院で定期的に濃度の濃いフッ素塗布、ご家庭では毎日使用できる濃度の低い歯磨剤、洗口液とフッ素を上手く併用するといいと思います。
しかしながら、フッ素を塗ったからむし歯にならないわけではありません。毎日の歯磨きがやっぱり一番大事です。
3ヶ月に一度は歯科医院で定期検診とフッ素塗布をされるといいと思います。